ORAL REHABILITATION

口腔リハビリテーション

口腔リハビリテーションとは

口腔リハビリテーションとは

病気や障害、老化などによって低下した口腔機能を回復したり、機能レベルが下がったりしないようにするためのリハビリです。
リハビリの内容は患者様の症状によって異なりますが、例えば上手に食べ物を噛むために舌や頬を動かしたりします。また、食事中にむせてしまう、うまく飲み込めないといった摂食嚥下障害と呼ばれる症状に対しても、リハビリを行なうことがあります。
食べたり話したりすることは、人間の生活にとって欠かせないものです。生きる意欲を高めるためにも、口腔リハビリテーションを通じて日常生活のQOL(Quality of Life)を高めることは大切だと考えています。
当院では患者様やご家族にも丁寧に説明しながらリハビリのプランを立てていきます。

義歯と認知症予防

義歯と認知症予防

噛むことは「脳のジョギング」ともいわれています。よく噛むことは脳血流量を増加させます。そして、大脳辺縁系の海馬を刺激し活性化させることが科学的に証明されています。海馬は記憶や情緒と深い関係にあり、認知症の方には海馬の萎縮がみられます。

  • ・脳血管性認知症
    血流が悪いと、脳細胞へ十分な酸素と栄養が届かなくなり、脳機能が低下し認知症につながります。認知症全体の約20%がこの症状だといわれています。
  • ・アルツハイマー型認知症
    アミロイドβと呼ばれるタンパク質が蓄積されることで、脳細胞の減少と脳の萎縮が起こります。認知症の大半がアルツハイマー型認知症です。アルツハイマー型認知症を発症する前に海馬の萎縮がみられます。認知症全体の約60%がこの症状に該当するとされています。
  • ・レビー小体型認知症
    レビー小体が脳内に認められ、特有の神経症状とパーキンソン症候群を示します。認知症全体の約20%がこの症状にあたるといわれています。

神奈川歯科大学・山本龍生氏の研究班によれば、歯がほとんどなく義歯を使用していない人のグループは、歯が20本以上残っている人のグループより認知症を発症するリスクが約1.9倍に増加すると報告されています。

高血圧症、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病は認知症発症の危険因子です。動脈硬化が進み、認知症の進行を早めます。食事のバランスが崩れると生活習慣病発症につながります。

  • 義歯の不具合、使える歯がほとんどない
  • よく噛んで食事ができない、噛む回数が減る
  • 食事のバランスが崩れる
  • 生活習慣病の発症につながる
  • 認知症発症につながる

適合が良く、「噛める」義歯を装着することは認知症予防につながります。

いびき・睡眠時無呼吸症候群と義歯治療

  • よく食べる噛める義歯
  • よく動く噛む力が出る義歯
  • よく笑う白くてきれいな義歯
  • よく歌う大きく口を開けても落ちない義歯
  • よく寝る寝ている間も装着できる義歯

これらの行動は、全てお口の健康が関わっています。この中で、睡眠と歯科の関係については広く認知されていません。

  • ・日中の強い眠気や疲労感
  • ・集中力や記憶力の低下
  • ・だるさ、倦怠感
  • ・起床時の頭痛
  • ・朝なかなか起きることができない
  • ・口が乾く

睡眠障害が全身へ悪影響を及ぼすことは以前から知られています。
日常生活、仕事、勉強などに支障をきたし、社会的な問題をはらんでいるともいえます。
これまでにも、睡眠時無呼吸症が原因で重大交通事故が起きています。

就寝中に舌が咽頭方向へ落ちる、下顎が後ろに移動するために上気道の確保が困難になります。これが閉鎖型睡眠時無呼吸症候群(Obstructive Sleep Apnea Hypopnea Syndrome : OSAHS)の原因になります。歯科では、口腔内装置(Oral Appliance:OA)を用いて下顎を前方へ移動することで、上気道の狭窄を防ぐ治療を行ないます。
広範囲な部分義歯や総義歯の方は、下顎を前方に移動して固定する口腔内装置が使用できない場合があります。なぜならば、義歯の上に口腔内装置をはめると義歯が外れてしまうからです。
正しく適合の良い義歯をしないと、睡眠障害を起こす場合があります。
具体的には、

  • ・就寝中に義歯を外すことで口元がゆるみ、口呼吸になる。
  • ・適合の悪い義歯は使わない場合が多く、口元と舌のバランスが崩れて舌が大きくなってしまう。就寝中に舌が咽頭方向へ落ちてしまい、呼吸を妨げる場合がある。
  • ・舌の筋力が弱っている。

現時点では自費診療のため、11,000円(税込)がかかります。
あらかじめご了承ください。

睡眠障害が出ている方は、肥満、高血圧、糖尿病、高脂血症などメタボリック・シンドロームを合併している場合が多くみられます。睡眠時無呼吸症候群の分類は、閉鎖型、中枢型、混合型の3つに分類されます。よって、睡眠医療を行なっている内科医師、耳鼻咽喉科医師が主導となり治療を進めていきます。

では、歯科医師の役割は何でしょう?医科主治医の診断のもと、口腔内装置が必要となった場合、その作製および歯科治療を任されます。主に閉鎖型睡眠時無呼吸症で、軽症もしくは中等症の方を対象としています。
そのほか、歯科関連の病気として小顎症(下顎後退症)の方に、顎矯正手術で下顎を前方に移動すると、結果として睡眠時無呼吸症候群が改善される場合があります。この手術は、形成外科医師、歯科医師(口腔外科、矯正歯科)が担当します。

下顎を前に移動すると気道が広がり、呼吸が楽になります。この位置で口腔内装置を作製します。一般的な口腔内装置は上下一体型のマウスピースで、顎が一定位置で固定されます(アクチバトール式)。
保険診療の場合はアクチバトール式の口腔内装置を作製します。
自費診療の場合は、上下分離型で特殊なコネクターで連結し違和感を軽減する方法を用います。上下一体型と比較し、ある程度の可動性を有しながら下顎後方移動を防止する機能が備わっています。ドイツのエルコデント社製サイレンサーのパーツを使用します。

口腔内装置について

医科保険医療機関(内科、耳鼻咽喉科など)で検査および診断を受け、歯科への診療情報提供書(紹介状)をお持ちの方は、口腔内装置治療は保険診療となります。作製および治療の価格は、3割負担でおよそ13,200円です(医科検査および治療費は別途。経過観察料、そのほかの一般歯科治療は含まず)。
診療情報提供書をお持ちでない方、いびき・睡眠時無呼吸予防のために口腔内装置の作製を希望する方は、自費診療で44,000円(税込)がかかります。

就寝中に舌が咽頭方向へ落ちる、下顎が後ろに移動するために上気道の確保が困難になります。これが閉鎖型睡眠時無呼吸症候群(Obstructive Sleep Apnea Hypopnea Syndrome : OSAHS)の原因になります。歯科では、口腔内装置(Oral Appliance:OA)を用いて下顎を前方へ移動することで、上気道の狭窄を防ぐ治療を行ないます。
広範囲な部分義歯や総義歯の方は、下顎を前方に移動して固定する口腔内装置が使用できない場合があります。なぜならば、義歯の上に口腔内装置をはめると義歯が外れてしまうからです。
正しく適合の良い義歯をしないと、睡眠障害を起こす場合があります。
具体的には、

  • ・家族から、寝ている時に「いびきがうるさい!」と指摘された
  • ・目覚めが悪い、寝たつもりなのに疲れている
  • ・毎晩の眠りが浅い感じがする
  • ・医科で検査を受けたが、診断がつかなかった
  • ・早く装置を作ってほしい

こうした場合は、自費診療になりますが口腔内装置の作製を行なっています。作製および治療の価格は、税込で44,000円(簡易検査料11,000円+作製料33,000円)です。こちらの口腔内装置は、ドイツエルコデント社製サイレンサーのパーツを用いて作製いたします。
※口腔内装置装着後に症状が改善されない場合は、医科連携医療機関へ紹介する場合があります。

当院は、より新しい簡易検査を受けられる医療機関です。歯科ではまだ全国的に普及していないものです。ご自宅で指先と首元に簡単な装置し、普段と同じように一晩寝るだけで簡単に検査できます。指先の血流量から睡眠時無呼吸を評価し、後日レポートを発行いたします。

装置の特徴
  • ・脳波を使用せずに睡眠・覚醒を識別
  • ・鼻カニューラを使用せずに無呼吸を識別
評価項目
  • ・無呼吸低呼吸指数(AHI)
  • ・呼吸障害指数(RDI)
  • ・酸素飽和度低下指数(ODI)
  • ・覚醒
  • ・REM睡眠
  • ・浅睡眠
  • ・深睡眠
  • ・いびき
  • ・体位

誤嚥性肺炎と義歯の関係

誤嚥性肺炎と義歯の関係

誤嚥とは、食物、唾液、喉の分泌物、胃酸、胃の内容物が誤って肺の中に入ってしまうことをいいます。人は普段から絶妙な嚥下運動で誤嚥を防いでいます。
この誤嚥が原因で肺炎(咳、痰、発熱などの症状出現)になることを誤嚥性肺炎といいます。
日本人の死因は、厚生労働省発表の2012年(平成24年)人口動態統計によると、肺炎は第3位で約12万3000人が死亡しています。そのうち約7割が誤嚥性肺炎といわれています。超高齢社会に突入し、今後も増加傾向にあります。

摂食・嚥下の5期
  • 先行期
    口に食物が入るまでの時期
  • 準備期
    摂取した食物を噛み砕く時期
    歯だけではなく、舌、唇、頬が連動して動くことで食塊を形成できる。食物を味わうのもこの時期である。
  • 口腔期
    食塊を喉に送り込む時期
  • 咽頭期
    喉に送り込まれた食塊を反射的に飲み込む時期
  • 食道期
    食道に入った食塊が胃に送り込まれる時期

食物を認知し、口の中に入れて噛み砕き(準備期)飲み込む行動を、摂食・嚥下といいます。摂食・嚥下についてはマスコミで取り上げられ世間に広まっていますが、その中でも咀嚼(準備期)については義歯と大きく関わっている部分なので、あえてここでは摂食・咀嚼・嚥下と呼びたいと思います。

普段の食事で、食べたくても食べられない状況が続くと食の楽しみを失い、栄養の偏りと食欲低下を引き起こします。普段からお口の周りの筋肉を動かさなくなるので、摂食・咀嚼・嚥下に関わる反射や筋肉の動きが低下します。食事中のむせ込みを気にする方も多いですが、むせ込み=誤嚥ではなく、むせは食物や水が気管に入り込まないようにする自然な防御反応です。しかし、むせのない誤嚥もあり注意が必要です。

誤嚥すると必ず肺炎になるわけではありません。肺炎には、誤嚥した食物や唾液中の細菌量と、体の免疫防御機能が関わっています。
不潔な義歯を装着していると、義歯の表面にデンチャープラークという細菌の塊を形成します。清潔に義歯を装着し、健康なお口の状態を保つことは誤嚥性肺炎予防に大切なのです。
同時に、適合の良い義歯を装着し、お口の周りの筋肉をよく動かすことで、口元が引き締まり、表情が豊かになります。それに追随して、咀嚼嚥下機能に関わる反射や筋力も維持できます。前述の通り、嚥下は食物が口に入る前から始まっています。食の楽しみをいつまでも持ち続けるために、見た目よく、清潔で、噛める義歯をおすすめします。

口腔リハビリテーションの対象年齢は、赤ちゃんから高齢の方まで入ります。年齢制限はありません。お口の機能が低下するのは、障害や病気、老化など、原因はさまざまです。そうした中で起こりうるものとして、食べ物をうまく飲み込めなくなる摂食嚥下障害や、お子様などの赤ちゃん言葉が改善されない言語障害、いびきが強く睡眠を充分にとれない閉塞性睡眠時無呼吸症候群、指をしゃぶる癖が直らないなど、あらゆる症状が対象になります。お口のリハビリによって、しっかり唾液が出るようになり食べ物の消化を良くすることにもつながります。単に筋肉を使うだけにとどまらず、体力の回復や意欲の高まりなど、全身の健康にも良い影響が期待できます。

  • ・摂食嚥下障害
  • ・口腔機能低下症
  • ・言語障害
  • ・閉塞性睡眠時無呼吸症候群
  • ・指しゃぶり

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